クラウド # PVS One # クラウドシフト・リフト

IBM i の基幹システムをオンプレミスから移行する際、多くのIT担当者がクラウドとホスティングのどちらが自社に合っているか、判断に迷います。どちらも「自社サーバーを持たない」という点では共通していますが、そのサービスモデル、コスト体系、そしてビジネスにもたらす価値は大きく異なります。
本記事では、IBM i ユーザー企業が最適な移行先を選べるよう、クラウドとホスティング・オンプレミスの違いを徹底比較します。
オンプレミス・ホスティング・クラウドの違い
1.サーバーの「所有」から「利用」へ
オンプレミス、ホスティング、クラウドは、サーバーに対する考え方が根本的に異なります。まずその具体的な違いについてみていきましょう。
・オンプレミス
サーバーを「所有」し、自社で物理的な管理、運用、保守のすべてを行います。
・ホスティング
物理的なサーバーをデータセンターに置き、「サーバーを置く場所を借りる」モデルです。管理や運用の一部はホスティング事業者に任せますが、基本的にはサーバーの物理的な管理責任は利用側に残ります。
・クラウド
サーバーを「サービスとして利用する」モデルです。物理的なサーバーの管理はすべてクラウド事業者が行い、利用者は必要な時に必要なだけ、仮想的なサーバー機能を利用します。
この根本的な違いが、コスト、柔軟性、そしてビジネスへの貢献度に大きな差を生み出します。
2.コストモデルと柔軟性の違い
コスト面と柔軟性は、クラウドとホスティングを比較する上で最も重要なポイントです。
項目 | オンプレミス | ホスティング | クラウド(IBM Power VS) |
支払い | 一括支払い(ハード購入) | 月額固定料金 | 使用時間による従量課金 |
最低利用期間 | 資産として長期保有 | 数年の縛りがあることが多い | 短期利用も可能 |
見積もり | 複雑で時間がかかる | 固定プランから選択 | 必要なスペックを即座に算出 |
リソースの増減 | 困難 | 事前に契約したプランに依存 | 稼働中に自由に増減可能 |
上記のように、クラウド(IBM Power Virtual Server)は、「使った分だけ支払う」という従量課金モデルのため、無駄な投資をなくすことが可能です。
たとえば、月末の締め処理で一時的にCPUパワーが必要な場合でも、必要な時だけリソースを増やし、処理が終わり次第元に戻すことが可能なため、常に最適なコストでシステムを運用でき、コスト効率を最大化することができます。
一方、ホスティングでは、あらかじめ契約した固定プランの範囲内でしか利用できません。将来の成長を見越して高価なプランを契約すると、利用しないリソースに対しても費用を払い続けることになり、不要なコストが発生するということが起こりえます。
3.サーバー環境の構築スピードとテクノロジー
ビジネスの変化に迅速に対応するには、サーバー環境の構築スピードと、他システムとの連携のしやすさが不可欠です。
オンプレミスやホスティングでは、新しいサーバーを立ち上げるのに数週間から数か月かかることがあります。
しかし、IBM Power Virtual Serverであれば、IBM i OSの環境をわずか数分でクローン作成することができます。
クラウドは、DXの推進を前提としたテクノロジーです。
そのため、IBM i と、他のクラウドサービス(SaaSなど)や他社のシステムとの連携がスムーズに行えるのも魅力の1つです。従来のオンプレミスやホスティングでは、システム連携には複雑なネットワーク設定やセキュリティ対策がその都度必要でしたが、クラウドはAPI接続などを通じてシームレスなデータ連携を実現します。
4.信頼性とサポート体制
クラウドは、専門のサービス事業者が管理・運用を行うため、高い信頼性が確保されています。
特にIBM Power Virtual ServerはIBM公式のサービスであり、高いセキュリティと可用性を誇ります。また、IBMゴールドパートナーである弊社が提供するPVS Oneであれば、IBMクラウドのサポートも日本語で受けられるため、言葉の壁を気にせず安心して運用することができます。
ホスティングが「場所を借りる」ことでコストを削減するのに対し、クラウドは「必要な機能を必要な分だけサービスとして利用する」ことで、コスト最適化、運用の効率化、そしてビジネスの柔軟性という、より大きな価値をもたらします。
項目 | ホスティング | クラウド |
本質 | サーバーを置く場所の提供 | サーバー機能の利用 |
主要な価値 | サーバー維持コストの削減 | コスト最適化、運用自動化、柔軟性向上 |
そのため、IBM i のクラウド移行は、単なるインフラの置き換えではありません。これは、ビジネスの俊敏性を高め、IT部門を戦略的な役割へと進化させるための重要な投資といえるでしょう。
PVS OneでIBM i のクラウド移行を円滑にサポート
とはいえ、「本当に既存システムがクラウドで動くのか?」「移行中に業務が止まらないか?」「複雑な請求や運用を自社で管理できるのか?」といった不安を感じるIT担当者様も少なくないのではないでしょうか。
そこで、弊社のワンストップのクラウド移行・運用支援サービス「PVS One」がしっかりとサポートいたします。
PVS Oneが選ばれる3つの理由
1.徹底した事前分析と最適な構成のご提案
お客様のIBM i システムの稼働状況(CPU、メモリ、ディスク使用量)や、連携している周辺システムを詳細にヒアリング・分析します。その上で、不要なものは外し、「移行後に最もコスト効率が高く、パフォーマンスを発揮できる」IBM Power Virtual Serverの最適な構成をご提案します。
2.IBM i 専門家による万全の移行サポート
クラウド移行は、システムのバージョンや特殊な設定により複雑になることがありますが、弊社のIBM i 技術者が、計画策定から実際のデータ移行、テストまでを一貫してサポートします。お客様の業務に影響を与えないよう細心の注意を払い、スムーズかつ確実なクラウド化を実現します。
3.運用開始後の監視、サポート、請求代行まですべてお任せ
IBM Power Virtual Serverは柔軟な分、運用後のリソース管理や請求体系が複雑になりがちです。PVS Oneでは、以下のサービスをご提供し、お客様の運用負荷を大幅に軽減します。
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日本語でのサポート窓口: IBMクラウド(PVS)の海外サポートを日本語で代行します。
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24時間体制の監視・障害対応: システムが安定稼働し続けるための監視・運用を担います。
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円建てでの請求代行: 複雑なドル建ての従量課金や請求書を、わかりやすい円建て・日本円の請求書にまとめます。
PVS Oneを利用することで、クラウド移行に関する不安解消から、最適な環境の構築まで、運用負荷を最小限に抑えることが可能です。IBM i のクラウド移行やPVS Oneについてさらに詳しく知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。
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