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2025年7月8日(火)午前9:00~9:45 EDTに開催されたIBMのセミナー「See what's next level」にて、「IBM Power11」に関する最新情報が正式に発表されました。前モデルであるPower10を大幅に上回る性能向上を実現し、特にAIワークロード、サイバーセキュリティ、そしてハイブリッドクラウド環境でその真価を発揮しそうです。
IBM Power11の本質:5つの視点で見るその実力
1. 計画停止ゼロへ:最高クラスの「可用性と継続稼働」
IBM Power11 は「計画停止ゼロ」を実現する仕組みを備え、システム更新やパッチ適用時でも業務を止めることなく運用可能です。稼働率は99.9999%と極めて高く、年間でわずか約31.5秒しか停止しない計算となり、金融や製造など基幹業務の継続性が求められる企業に最適なプラットフォームです。
2. 量子安全暗号に対応:次世代を担う「堅牢なセキュリティ」
新たに量子安全暗号を採用し、将来的なサイバー脅威にも対応可能です。また「IBM Power Cyber Vault」により、1分以内でランサムウェアを検知し、自動で安全なスナップショットを作成することもでき、高度化する攻撃から重要な企業データを守ります。
3. プロセッサにAIを統合:高速化された「AI処理」
IBM Power11は、プロセッサ内にAI向け機能を統合し、推論処理を大幅に高速化します。これを支えるプロセッサ全体の性能も大きく向上しており、従来比で最大45%のシステムキャパシティー向上を達成しています。さらに2025年後半には専用AIチップ「Spyre Accelerator」との連携も予定されており、企業のAI活用基盤を強力に支えます。
4. 高いエネルギー効率
IBM Power11は、Power9世代からの大幅な性能向上(コア性能で最大55%向上)により、複数台のサーバー統合による運用コスト削減が期待できます。さらに、新しく搭載された省エネモードを使用することで、最大パフォーマンスモード時と比較して、性能を大きく落とさずにサーバー効率を最大28%向上させることが可能です。これにより、企業のサステナビリティに大きく貢献します。
5. ハイブリッドクラウド対応
オンプレミスだけでなく、IBM Power Virtual Server などのクラウド環境にも同時対応。システム移行や拡張が容易で、オンプレとクラウドを組み合わせた最適運用が可能です。将来的なIT戦略の柔軟性を高める大きな強みとなっています。
出典:POWER11 Processor-Based Systems RAS
出典:IBM Power11 Raises the Bar for Enterprise IT
IBM Power11:スペック一覧
IBM Power11シリーズの主要モデルと、その主な用途は以下の通りです。(2025年7月発表)
モデル | 型番 | ソケット数 | 最大コア数 | 最大メモリー | 対応OS | 主な用途・特徴 |
IBM Power E1180 | 9080-HEU | 4 | 256 | 64 TB | IBM i、AIX、 Linux(RHEL、SLES) |
AI推論や大規模データ処理に最適 完全可用性とセキュリティ重視 |
IBM Power E1150 | 9043-MRU | 4 | 120 | 16 TB | AIX、Linux(RHEL、SLES) ※IBM i 非対応 |
データ集約型ワークロードに対応する4Uラック型サーバー 非IBM i、高性能DBに最適 |
IBM Power S1124 | 9824-42A | 2 | 60 | 8 TB | IBM i(VIOS経由)、AIX、 Linux(RHEL、SLES) |
中規模向け IBM i ほか対応 データ集約型ワークロードに対応する4Uラック型サーバー |
IBM Power S1122 | 9824-22A | 2 | 60 | 8 TB | Linux(RHEL、SLES) |
上記のLinux 特化版 |
※当資料は、2025年7月時点の情報です。今後、追加発表などにより仕様が変更される可能性があります。
弊社の「PVS One」は、この最新基盤のスムーズなクラウド移行と効率的な運用を支援するサービスです。Power11のクラウド活用にご興味をお持ちでしたら、ぜひお気軽にご相談ください。
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