生成AIの普及に伴い、AIツールから外部APIを直接呼び出すニーズが急速に高まっています。しかし、従来のREST APIをAIツールから利用するには、APIの仕様を詳細に説明したり、専用のプラグインを開発する必要がありました。
本記事では、既存のREST APIをMCP(Model Context Protocol)サーバーとして既存APIをプロキシするツールを構築し、Claude CodeなどのAIツールが直接API仕様を理解して呼び出せる環境を構築する技術的アプローチについて解説します。
MCP(Model Context Protocol)は、Anthropic社が開発したAIアプリケーションと外部データソース・ツールを接続するためのオープンスタンダードプロトコルです。MCPを使用することで、AIツールは以下の3つの機能にアクセスできます。
以下のような構成になります。MCPプロキシを介することで生成AIが既存APIを簡単に利用できるようになります。
今回は既存APIの準備として、弊社MONO-XのAPI-Bridgeを使用します。API-Bridgeは様々なクラウドサービスやSaaSサービスとIBM i(AS/400)の基幹データをAPIで繋ぐソリューションとして開発され、IBM i(AS/400)データ連携の架け橋として生まれました。本記事ではデータベースの情報をREST APIとして公開する機能を使用します。詳細はこちらをご参照ください。
API-BridgeはB2B向けのプロダクトのため、詳細な導入手順は省略します。お手持ちの既存REST APIや、ExpressやFastAPIなどで作成した簡単なモックAPIサーバーをご準備いただければ、同様に動作確認が可能です。
以下はAPI-Bridgeの設定画面です。簡単にデモ用のAPIをローカルPCに準備できました。商品名で商品を検索するシンプルなAPIです。
例:「生産管理システム」を含む商品を検索
既存のAPIをMCP化するために、専用のプロキシツール「mcpify」を開発しました。このツールは、REST APIのエンドポイントを自動的にMCPツールとして変換します。
MCPには標準出力(stdio)とHTTPの2つの通信方式があります。今回はClaude Codeとの統合が簡単な標準出力方式を使用します。
既存APIをプロキシするための設定ファイル config.json
を作成します。
設定ファイルの詳細について知りたい方はこちらをご覧ください。
Claude Codeの設定ファイル(~/.claude.json
)に以下の内容を追加します。
ローカルに作成したい場合はプロジェクトのルートディレクトリに.mcp.json
ファイルを作成します。
設定後、Claude Codeを再起動すると、MCPサーバーが自動的に起動されます。
実際の使用例を紹介します。
Claude Codeは自動的にsearch_products_by_name
ツールを使用し、APIを呼び出して結果を返します。
プロキシを介してREST APIを実行できました。
今回は自作のツールを使用しましたが、REST APIをMCP化する実際のOSSプロジェクトが多数存在します。プロジェクトの要件に応じて、最適なツールを選択することをお勧めします。
既存のREST APIをMCPサーバー化することで、以下のメリットが得られます。
ただし、セキュリティには十分な注意が必要です。適切な認証・認可の設定、ネットワークセキュリティの確保、監査ログの実装など、本番環境での使用前に必ずセキュリティ対策を実施してください。
MCPを活用することで、既存のAPIリソースをより効果的に活用し、AI時代に適応したシステム構築が可能になります。今後もMCPエコシステムの発展とともに、さらなる活用方法が生まれることが期待されます。
▼次世代のチャットベースAIデータ分析ツール「MONO-X AI」についてのお問い合わせ・ご相談はこちら
MONO-X AI 公式サイト
▼「API-Bridge」についての詳細は以下リンクをご覧ください。
API-Bridge公式サイト
お問い合わせ・ご相談はこちら