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IBM Bobの始め方|導入から最初のRPG解析までの手順

作成者: admin|Sep 30, 2026, 9:00:00 AM

 

IBM Bobの始め方は、無料トライアルで試すか、有償のアドオン製品を使うかで、できることと手順が変わります。

まずは無料で試してみたい、という場合は、無料トライアルを申し込み、IBM Bobをインストールして、ワークスペースにダウンロードしたソースコードをIBM Bobに読み込ませます。

ここまでは約30分で進められます。

IBM i 上のソースコードを直接参照したい場合は、有償のアドオン製品「IBM Bob Premium Package for i」をインストールし、IBM i に接続します。

この記事では、2つのパターンの手順を順番に紹介します。

※QSYSのソースコードや、IFSのソース・ストリーム・ファイルを直接参照する場合には、有償のアドオン製品「IBM Bob Premium Package for i」のインストールが必要です(無料トライアルでは利用できません)。

IBM Bobとは、IBMが提供するAIコーディングエージェントです。

既存コードの解析・説明から、改修、テスト、ドキュメント作成までを支援します。

VS Codeをベースにした開発画面(IDE)で、チャットで依頼して使います。

製品の全体像は「IBM Bobとは?IBM i ユーザーが押さえておくべきこと」(https://blog.mono-x.com/what-is-ibm-bob-for-ibm-i-users )で紹介しています。

比較

パターン1:無料トライアルで始める

パターン2:Premium Package for i を使う

費用

無料(30日間、50 Bobcoinsの範囲)

有料プラン(Pro 以上)+ Premium Package for i(1ユーザー月40米ドルから)

読ませるソースコード

PCにダウンロードしたソースコード

IBM i 上のソースコード(QSYS・IFS)を直接参照

できること

ソースコードの説明と保存、修正案の作成

左に加えて、IBM i 上のソースコードの直接参照、コンパイル、SQLの実行、テスト

必要なもの

IBMid、PC

左に加えて、IBM i 7.4 以降、SSH接続

目安の時間

約30分

約30分~1時間

出典:IBM Bob Pricing (https://bob.ibm.com/pricing) 、IBM Bob「Prerequisites」(https://bob.ibm.com/docs/ide/premium-packages/bob-for-i/prerequisites)

プランごとの料金は「IBM Bobの料金はいくら?プランと、IBM i で使うときの費用の考え方」(https://blog.mono-x.com/ibm-bob-pricing-plans-ibm-i-cost )で詳しく紹介しています。

まずは無料で使い勝手(パターン1)を確かめ、IBM i 上の資産を本格的に扱うときにパターン2へ進む、という順番がおすすめです。

STEP1 無料トライアルを申し込む

  1. 公式サイト(https://bob.ibm.com )を開きます。
  2. IBMidを用意します。持っていない場合は、メールアドレスで無料登録できます。
  3. 無料トライアルを申し込みます。30日間、50 Bobcoins(IBM Bobの利用量の単位)の範囲で主要機能を試せます。

STEP2 インストールする

  1. 公式サイト(https://bob.ibm.com/download )から、PCに合ったインストーラーを入手します。Windows・macOS・Linux 向けが用意されています。
  2. インストーラーを起動し、画面の案内に沿って進めます。
  3. IBM Bobを起動し、「Log in to Bob」を選びます。ブラウザが開くので、IBMidでサインインします。

図:ブラウザに表示されるIBM Bobのログイン画面。アカウントがない場合は「Sign up for a free trial」から無料トライアルを申し込めます

ダウンロードからログインまでは、数分で終わります。

残りのBobcoinsは、画面右上のメーターで確認できます。

参考:「IBM i のAI活用の大本命。注目のIBM Bobを早速インストールしてみた」(Qiita)https://qiita.com/sugata/items/de1527c5845acdc242b1

STEP3 ダウンロードしたソースコードを読み込ませる

  1. 読ませたいRPGのソースコードを、IBM i からPCのフォルダに保存します。保存の方法には、次のような例があります。
    ・Code for IBM i のダウンロード機能を使う
    ・ACS などの5250エミュレーターのデータ転送機能を使う
    ・画面のソースコードをコピーして貼り付け、テキストファイルとして保存する
  2. IBM Bobのメニューの「File」→「Open Folder」で、そのフォルダを開きます。開いたフォルダが、IBM Bobの作業場所(ワークスペース)になります。
  3. 画面のチャット欄に、日本語で依頼します。

このフォルダにあるRPGのソースコードについて
処理概要をフローつきで解説してください。

図:品目照会プログラム(IPL020)について返ってきた処理概要とフロー図

品目マスターを画面で照会するプログラムについて、使用しているファイルや画面の一覧が表で返ってきました。

処理の状態をどう切り替えているかの説明と、処理の流れを示すフロー図も示されました。

ほかのRPGでの検証は、「【IBM i ×AI】40年前のRPGも5分で解析?「IBM Bob」の可能性と活用法」(https://blog.mono-x.com/ibm-i-rpg-analysis-with-ibm-bob )で紹介しています。

無料トライアルでは、インストールから読み込ませるまでで、特につまずく点はありませんでした。

気をつけたいのは、依頼の仕方くらいです。

具体的に依頼するほど、欲しい答えが返ってきます(「うまくいった指示の出し方」で紹介します)。

日本語で使う場合

IBM Bobは、日本語に対応しています。

当社の検証でも、日本語での依頼がそのまま通り、回答も日本語で返ってきました。

公式ドキュメントにも日本語版があります(https://bob.ibm.com/ja/docs )。

※ダウンロードしたソースコードを読ませる方法では、関連するソースコード(CALL先や/COPY)も自分で集める必要があります。QSYSやIFSのソースコードを直接参照するには、パターン2の Premium Package for i が必要です。


有償のアドオン製品「IBM Bob Premium Package for i」を使うと、IBM i 上のソースコードやデータベースを、PCにコピーせずに扱えるようになります。

Premium Package for i を導入する手順の詳しい画面は、「【第1部】IBM Bob Premium Package for i 導入ガイド|導入編」(https://blog.mono-x.com/ibm-bob-premium-package-for-i-install-guide-1 )と「【第2部】…|動作確認編」(https://blog.mono-x.com/ibm-bob-premium-package-for-i-install-guide-2 )で紹介しています。

始める前に用意するもの

区分

必要なもの

補足

契約

IBM Bobの有料プラン(Pro以上)+ Premium Package for i

無料トライアルでは利用できません

PC

Windows(x64)または macOS(Apple Silicon)

Premium Package for i の前提。Linuxはサポート対象外です

IBM Bob

IDE 2.0.0 以降

Premium Package for i の拡張機能は 1.0.0 以降

IBM i

IBM i 7.4 以降

7.4 の場合は Db2 のPTFグループ SF99704 レベル13以降が必要です

接続

SSHで接続できること

SSHサーバーの起動(STRTCPSVR *SSHD)など。IBM i の管理者に確認してください

出典:IBM Bob「Prerequisites」https://bob.ibm.com/docs/ide/premium-packages/bob-for-i/prerequisites 

Code for IBM i など、IBM i に接続するための拡張機能は、Premium Package for i と一緒に自動で入ります。

すでにVS CodeでCode for IBM i を使っている方は、その設定を引き継げます。

STEP1 有料プランと Premium Package for i を申し込む

有料プラン(Pro 以上)を申し込み、Premium Package for i を追加します。

会社で契約する場合は、購入後に管理者がユーザーへ追加パッケージを割り当てます。

割り当てられると、ユーザー側の管理画面で適用を確認できます。

図:管理画面で Premium Package for i の適用を確認

STEP2 Premium Package for i をインストールする

  1. IBM Bobを起動すると、Premium Package for i のインストール確認が表示されます。表示されない場合は、拡張機能の画面で「Premium Package for i」を検索します。
  2. 前提を満たしていない拡張機能があると、警告が表示されます。画面の案内に沿って更新してから、もう一度インストールします。
  3. インストールが完了したことを確認します。

図:起動時に表示される Premium Package for i のインストール確認

図:前提を満たしていない拡張機能があるときの警告(Db2 for IBM i の更新を求められた例)

図:インストールが完了した画面

 

STEP3 IBM i につなぐ

Premium Package for i は、Code for IBM i のSSH接続を使ってIBM i にアクセスします。

Code for IBM i を初めて使う場合は、接続先を新しく登録します。

  1. 左端のアクティビティバーにある IBM i のアイコンを選びます。
  2. 接続先のホスト名、ユーザー、認証方法を入力して保存します。
  3. 接続すると、OBJECT BROWSER からライブラリのソースメンバーを検索・表示できるようになります。

 

図:Code for IBM i で接続先を新しく登録する画面

図:OBJECT BROWSER でソースメンバーを表示

STEP4 IBM i 上のRPGのソースコードを読ませる

5250画面でメンバーを探すときと同じ感覚で、日本語で依頼します。

ライブラリ HNDLIB91 の QRPGLESRC にあるメンバーの一覧を出してください。
続けて、BPL020(得意先別受注一覧表)の処理概要を説明してください。

図:メンバー一覧と処理概要を依頼した結果

返ってきた結果は次のとおりです。

  • メンバー一覧が、説明と行数付きの表で返ってきました。
  • 使用ファイルや処理の流れまで説明され、5250画面を開かずに内容をつかめました。

エディタで開いたソースコードの一部だけを説明させることもできます。

範囲を選んで右クリックし、「IBM Bob」→「Explain Code」を選ぶと、処理フローの図と解説が返ってきます。

IFS上のソースコードでも、同じ操作で説明させられます。

図:Explain Code で返ってきた処理フローの図と解説

さらに、プログラムが使っている得意先マスタについて、件数・テーブル定義・コード値の分布を尋ねると、IBM BobがSQLを実行して表で答えました。

ソースコードとデータを行き来しながら調べられるため、仕様の確認が速くなります。

図:SQLで件数・テーブル定義・コード値の分布を調べた結果

Premium Package for i の導入・検証で、当社が実際につまずいた点と解決方法をまとめます。

つまずいた点

起きたこと

解決方法

拡張機能のバージョン

以前に入れた Db2 for IBM i が古く、インストール時に警告が出た

警告の案内から拡張機能を最新に更新して、再度インストールした

Code for IBM i が初めて

接続設定や操作に慣れるまで時間がかかる

先に接続とOBJECT BROWSERの操作だけ覚える。解説サイトも参考になる

ワークスペースの選び方

パスを伝えて依頼すると、ワークスペース外のファイルとして承認を求められた

新しいタスクを始めるときに「Library List」または「Home Directory」を選び、IBM i 上の場所をワークスペースにする

ライブラリリスト

必要なライブラリがライブラリリストになく、処理が進まなかった

Code for IBM i のライブラリリストに追加してから依頼する

文字コード

元のソースコードがCCSID 5026で、変換に時間がかかった

対象ソースコードのCCSIDを事前に確認しておく

 

ソースコードの修正やコンパイルまで試す場合は、本番ではなく検証用の環境で行うと安心です。

当社では、IBM Bobの検証に使えるサンドボックス環境「PVS One for AIエージェント」をご案内しています。 

 

IBM Bobへの依頼は、具体的に書くほど精度が上がります。

当社の検証で効果があった書き方は、次のとおりです。

  • 場所を正確に書く:フォルダ名や、「ライブラリ・ソースファイル・メンバー名」まで書くと、探す手間がなくなります。
  • 何に使うかを伝える:「仕様書の処理概要に転記したい」など目的を書くと、出力の形がそろいます。
  • 出力の形を指定する:「表で」「3行で要約」などと書くと、読みやすい形で返ってきます。
  • 作業を分けて頼む:一覧の取得、1本の説明、という順に分けると、途中で確認しながら進められます。
  •  

たとえば、パターン1の依頼文に「改善点」を加えて、知りたいことを具体的に伝えてみました。

このフォルダにあるRPGについて処理概要と改善点があれば教えてください

すると、処理概要とフロー図(前掲の図)に加えて、改善点もあわせて返ってきました。

フリーフォームへの書き換えや、処理の繰り返し方の見直しなどが、書き換え例のコード付きで示されています。

図:依頼に「改善点」を加えたときに、あわせて返ってきた改善点の例

AIの提案は、そのまま採用せず、内容を確かめてから取り入れるようにします。1本ずつではなく、自社のRPG資産全体を見える化しませんか。

 

ここまでの手順で、RPGのソースコードをAIに説明させられるようになりました。

ただ、実際のシステムは、数千から数万のソースメンバーでできています。

業務フロー・ER図・プログラム仕様書を資産全体で起こすには、別の準備が要ります。

  • 件数と呼び出し関係を、ツールで機械的に集計する:AIの推測と、事実としての集計を分けて扱います。
  • AIで1本ずつ説明を作り、全体の図にまとめる:個々の説明をつなぎ、業務の流れにします。
  • 現場へのヒアリングで補う:業務上の意味は、担当者に確認して補正します。

これを自社だけで進めるには、ツールの準備と段取りに手間がかかります。

当社の「AI資産分析アセット」では、IBM i のソースコード(SAVF)と、貴社ホームページの情報、ヒアリングの内容をお預かりします。

当社のAI解析ツールで現行の業務システムを一括で解析し、分析結果と、見えてきた課題・改善の提案までをお届けします。

  • IBM Bobの使い方は?
    無料の場合は、無料トライアルを申し込み、IBM Bobをインストールして、ダウンロードしたソースコードを読ませます。ここまで約30分です。
    IBM i 上のソースコードを直接参照したい場合は、有償のアドオン製品「IBM Bob Premium Package for i」を追加し、IBM i に接続します。

  • IBM Bobのインストール方法は?
    公式サイトからインストーラーを入手して実行し、IBMidでサインインします。
    IBM i に直接つなぐ場合は、起動後に Premium Package for i の拡張機能をインストールします。

  • IBM Bobは日本語で使えますか?
    はい、日本語に対応しています。当社の検証でも、日本語で依頼し、日本語で回答を得られました。

  • IBM BobでRPGのソースコードを解析できますか?
    できます。
    無料トライアルでも、ダウンロードしたソースコードの処理概要の説明や、修正案の作成ができます。

  • IBM i のサーバー上のソースコードを直接扱えますか?
    有償のアドオン製品「IBM Bob Premium Package for i」を使えば扱えます。
    QSYSやIFS上のソースコードを、PCにコピーせずに読んだり修正したりできます。 

無料で始める場合

  1. IBMidを用意し、無料トライアルを申し込みます。
  2. IBM Bobをインストールし、ログインします。
  3. ダウンロードしたソースコードのフォルダを開き、日本語で依頼します。

IBM i 上のソースコードを直接参照したい場合

  1. 有料プランと Premium Package for i を申し込みます。
  2. Premium Package for i をインストールし、IBM i に接続します。
  3. ライブラリやIFSのソースコードを指定して、日本語で依頼します。

自社の資産全体を見える化するなら、1本ずつではなく、まとめて解析する方法があります。

 

※本記事は、弊社ブログや出典・参考記事の内容をもとに、編集部が作成しました。

「PVS One」では、IBM BobのライセンスをPVS Oneのサブスクリプションから消化・充当できるだけでなく、本記事のようなAIエージェントの検証を安全に行えるサンドボックス環境「PVS One for AIエージェント」や、「API-Bridge for AIエージェント」の無償利用特典をご用意しています。IBM iのAI活用や開発環境の効率化・検証環境についてご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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