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IBM Bobとは?IBM i ユーザーが押さえておくべきこと

作成者: admin|Sep 30, 2026, 8:00:00 AM

 

IBM Bobとは、IBMが提供するAIコーディングエージェントです。既存コードの解析・説明から、改修、テスト、ドキュメント作成までを支援します。IBM i(AS/400)ユーザーにとっては、RPGやCOBOLの資産を「読める・説明できる状態」に戻す道具になります。ただし、IBM i サーバー上のソースを直接扱うには、追加パッケージ「Premium Package for i」が必要です。この記事では、IBM i の現場で押さえておくべきポイントに絞って解説します。

IBM Bobは、ソフトウェア開発の工程全体を支援するAIエージェントです。IBMは公式に「要件定義から実装、テスト、デプロイ、保守まで、開発ライフサイクル全体を支援するAI駆動開発パートナー」と位置づけています。
コードの補完だけを行うツールではありません。指示を受けると、AIが自ら計画を立て、ファイルを読み、修正案を作り、テストまで進めます。人はその計画と結果を確認し、承認します。
IBM i ユーザーにとって大事なのは、主な用途が「既存コードの理解と現代化(モダナイゼーション)」である点です。新しいアプリを一から作るより、長年使ってきた基幹システムを読み解き、改修し、引き継げる状態にすることに強みがあります。
IBMは2026年4月28日(米国時間)に正式発表しました。IBM社内では8万人以上が利用し、平均45%の生産性向上が報告されています(出典:Javaアプリ更新を1カ月→3日に爆速化 “ソースコード生成AI止まり”じゃない「IBM Bob」の仕組み:IBM社内で8万人超が利用 平均45%の生産性向上を確認 - @IT)。

IBM Bobでできることは、大きく次の5つです。

  • 既存コードの解析と説明:プログラムが何をしているかを、自然な文章で説明します。

  • ドキュメントの生成:仕様書、処理の流れ、図などを既存コードから起こします。 

  • 改修・リファクタリングの支援:修正方針を立て、変更案を作り、差分を提示します。

  • テストの支援:テストケースやテストコードの作成を手伝います。

  • 脆弱性の検出:IDE上やプルリクエストのレビューで、セキュリティ上の問題を早めに見つけます。

作業の進め方は3つのモードから選びます。

モード 役割

Ask

質問に答える。コードの意味を聞くときに使う

Plan

作業の計画を立てる。いきなり変更せず方針を確認できる

Agent

計画に沿って実際に作業を進める

このほか、利用状況とコストを可視化する「Bobalytics」や、外部ツールとつなぐMCP(AIと外部ツールを接続する共通規格)にも対応しています。

一方で、すべてを自動でやってくれるわけではありません。 ファイルの変更やコマンドの実行は、初期設定では人の承認が必要です。出力された説明や仕様書も、業務を知る人が確認する前提で使うべきです。AIは「ゼロから考える時間」を大きく減らしますが、最終判断は人に残ります。

対応している言語

IBM i ユーザーが気になるのは、RPGとCOBOLへの対応でしょう。IBM Bobは、どちらにも対応しています。
IBM i 向けの「Premium Package for i」では、次の言語・技術が対象として明記されています。

  •  RPG(固定形式・自由形式、ILE RPG)

  •  COBOL• CL(IBM i のコマンド言語)

  •  DDS(画面・ファイル定義)

  •  SQL/Db2 for i

RPGについては、固定形式から自由形式への変換や、古いRPGからILE RPGへの移行を支援するワークフローが用意されています。メインフレーム向けの「Premium Package for Z」ではCOBOL、PL/I、JCLなども対象です。Javaについては、バージョンアップや画面の刷新を支援するPremium Packageがあります。

(出典:IBM i モダナイゼーション(IBM公式)、IBM® Bob、Premium Packagesと新たなエンタープライズAI基盤によりエージェント型ソフトウェア開発を推進)

結論から言うと、IBM i のサーバーに接続して使うには「Premium Package for i」や「API-Bridge(MONO-X提供)」の追加契約が必要です。通常のプラン(Pro、Pro+、Ultraなど)だけでも、RPGやCOBOLのソースを読ませることはできます。ただしその場合、作業は手元のPCの中に限られます。ソースをPCやGitリポジトリに取り出して読ませ、修正したものをIBM i に戻してコンパイルする、という運用になります。
Premium Package for i を追加すると、IBM Bobから直接IBM i に接続できます。ソースの読み書き、コンパイル、SQLの実行、テストまでを、IBM Bobの画面から行えるようになります。

 

通常プランのみ

+Premium Package for i

RPG・COBOLの解析

できる(手元のソース)

できる

QSYS・IFS上のソースへの直接アクセス

できない

できる

IBM i 上でのコンパイル

手作業で転送が必要

IBM Bobから実行

SQL・CLの実行

できない

できる

接続の前提条件は、次のとおりです(2026年10月19日時点の公式ドキュメント)。

  • IBM i 7.4以上
  • SSHサーバーの起動(ライセンスプログラム5733-SC1)
  • IBM Bob IDE 2.0.0以上と、Premium Package for i 拡張機能
  • PCはWindows(x64)またはmacOS(Apple Silicon)が正式サポート

QSYSは、IBM i 固有のライブラリ形式の保管場所です。IFSは、IBM i 上の一般的なファイル置き場(統合ファイルシステム)です。RPGのソースは多くの場合、QSYSのソース物理ファイルに入っています。

費用の詳細は次回以降で解説を予定しています。

(出典:Premium Package for i 前提条件(IBM Bob Docs))

Premium Package for i でできること

公開情報で確認できる主な機能は、次のとおりです。

  • QSYS/IFS上のソースへの直接アクセス:読み込みと書き込みができます。
  • RPG・COBOLの生成とコンパイル:IBM Bobから直接コンパイルできます。
  • SQLとCLコマンドの実行:データベースの確認やコマンド操作を行えます。
  • IBM i 専用のモード:IBM i 開発者モードと、Db2 for i 向けのデータベースモードが追加されます。
  • モダナイゼーションのワークフロー:RPGの自由形式化、モジュール分割、DDSからDDL(SQLでの定義)への変換などです。
  • 業務ルールの抽出と文書化:既存プログラムから業務ロジックの説明、図、ドキュメントを生成します。
  • ER図の作成:データベースモードで、テーブル同士の関係を図にできます。

海外の専門メディアでは、約40のスキル・ワークフロー、約30の専用ツール、5250セッションの起動にも対応すると報じられています(出典:IT Jungle 2026年7月13日)。

IBM Bobの使い方は2つあります。

  • IBM Bob IDE:画面を操作して使う開発環境です。Windows、macOS、Linuxにインストールします。IBM i 向けの拡張機能(Code for IBM i など)も、この上で動きます。
  • Bob Shell:ターミナル(コマンド画面)から使う形です。自動化や、作業の記録を残したい場合に向いています。

提供形態は、次の2つから選べます。

  • SaaS(IBMが運用するクラウド):すぐに始められます。日本国内での処理にも対応しています。
  • セルフホステッド(自社で運用):Enterpriseプラン向けです。2026年10月1日(米国時間)に発表されました。オンプレミスやプライベートクラウドで動かせるため、ソースコードを社外に出したくない場合の選択肢になります(出典:IT Leaders 2026年10月2日)。

インストールの手順は各社様でご紹介されておりますがご参考までに下記記事をご紹介させていただきます。

インストール手順については各社様からも情報が公開されておりますので、ご参考までに以下の記事をご紹介いたします。

IBM Bobはじめました (無料トライアル登録とインストールの流れ)  - Qiita

IBM i の現場には、共通の悩みがあります。「作った人がもういない」「仕様書が古い、または無い」「どこを直すと何に影響するか分からない」。IBM Bobが最も力を発揮するのは、こうした「ブラックボックス化した資産」を読み解く場面です。

MONO-Xで実際に試した結果

検証結果①:既存RPGソースの修正・コンパイル  

  • 対象: IBM i上のRPGソース(QSYS)およびIFS上のソース・ストリーム・ファイル
  • やったこと: 日本語のチャット指示によるソースコードの修正とコンパイルを実施
  • 出力の精度: 指示した修正が正しく反映され、ループ構造の変更に必要な関連処理も提案。QSYS・IFSの両方でコンパイル成功を確認
  • つまずいた点: 5250画面での同時編集による書き込みエラーや、コンパイル時の事前設定に注意が必要

【第3部】IBM Bob Premium Package for i 導入ガイド|動作確認 Edit機能編

【第4部】IBM Bob Premium Package for i 導入ガイド|動作確認 Build編

検証結果②:既存RPG III資産のモダナイゼーション

  • 対象: 既存RPG IIIの得意先照会画面(カナ名称の前方一致検索)
  • やったこと: RPG IV/ILEへのプロシージャー化、RPGUnitによる単体テスト、REST API化、Web画面化・デプロイまでを一括指示
  • かかった時間: 初回デプロイまで約1時間半
  • 出力の精度: 単体テストに成功し、REST APIの作成・デプロイも完了。環境修正後の結合テストでは、全件表示・前方一致検索・該当なしの場合の表示が期待通りに動作
  • つまずいた点: 文字コード変換(CCSID 5026から5035)、RPGUNITのライブラリ設定漏れ、IWSの認証設定・権限不足などが発生。Claude+MCPも併用して原因を切り分け、解消
【第5部】IBM Bob Premium Package for i 導入ガイド|動作確認 Test機能編

開発の効率化だけではない使い方

IBM Bobは、開発者の作業を速くする道具です。しかし、IBM i ユーザーにとっての価値はそれだけではありません。既存資産を解析すると、次のような「業務の地図」を起こせます。

  • メニューフロー:どの画面から、どの処理が呼ばれるか
  • 業務フロー:受注から出荷まで、データがどう流れるか
  • ER図:どのファイル(テーブル)がどう関係しているか
  • PGM仕様書:各プログラムの入出力と処理内容

この地図があると、業務の改善ポイントが見えてきます。たとえば、手入力が残っている工程、紙の帳票に頼っている工程、夜間バッチの時刻に業務が縛られている工程です。「システムを直す」前に「業務のどこを良くするか」を決められるようになります。

「自社のIBM i 資産でも同じことができるか」を、まず確かめてみませんか。MONO-Xが貴社のIBM i 資産を解析し、メニューフロー・業務フロー・ER図・PGM仕様書を起こして、改善ポイントを整理します。

 

導入を検討する際に確認しておきたい点をまとめてみました。

  1. AIに与える権限は最小限にしておく
    IBM Bobは強力なツールですが、ファイル編集やコマンドの自動実行はリスクを伴います。機密ファイルは「.bobignore」で除外設定し、操作は必ず人間が確認してから実行する運用にしておくと安心です。
  2. 用途に合ったプランを選ぶ
    個人の試用ならProプラン等でも十分ですが、企業で導入するならEnterpriseプランを検討したほうがよいでしょう。また、無料トライアルでは、Premium Package for i を試せません。IBM i への接続を試すには、有料プランの契約が必要になります。
  3. ソースコードの扱いを社内で確認しておく
    SaaS版ではソースコードがIBMのクラウドで処理されるため、社内のセキュリティ規程で外部送信が認められているか、事前に確認しておくと安心です。
  4. 本格導入の前に利用量の目安をつけておく
    IBM Bobの利用には「Bobコイン」を消費します。プロジェクトの規模によって消費量が変わってくるので、本格導入の前に1〜2週間ほど実業務で試用して、おおよそのコストを算出しておくのがおすすめです。
  • IBM Bobとは何ですか?
    IBMが提供するAIコーディングエージェントです。既存コードの理解・改修・テストを中心に、開発ライフサイクル全体を支援します。

  • IBMのBobとは何ですか?
    「IBM Bob」のことで、IBMのAIコーディングエージェントです。開発段階では「Project Bob」と呼ばれていました。

  • IBM Bobは何ができますか?
    既存コードの解析と説明、ドキュメント生成、改修やテストの支援ができます。ただし変更は人が確認・承認する前提で、完全な自動化ではありません。

  • IBM BobはIBM i(AS/400)で使えますか?
    はい。Premium Package for i を追加すると、IBM i サーバーに接続して使えます。通常プランだけでは、手元のPCにあるソースの解析に限られます。

  • IBM BobはRPGやCOBOLに対応していますか?

  • 対応しています。IBM i 向けにはRPG、COBOL、CL、DDS、SQLが対象で、RPGの自由形式化などのワークフローも用意されています。

  • IBM Bobは日本語で使えますか?
    はい、日本語に対応しております。

IBM i でAIを使うなら、まず次の3点を確認しましょう。

  1. IBM Bobは「既存資産を読み解く」ことに強いAIコーディングエージェントである
  2. IBM i サーバーに直接つなぐには、Premium Package for i が必要である
  3. 最初の一歩は、自社の資産がどうなっているかを知ることである

AIの効果は、対象となる資産の量と状態で大きく変わります。何本のプログラムがあり、どれが今も使われ、どの業務とつながっているのか。そこが見えていれば、どこからAIを使うべきかも見えてきます。

 

※本記事は、弊社ブログや出展・参考記事の内容をもとに、編集部が作成しました。

「PVS One」では、IBM BobのライセンスをPVS Oneのサブスクリプションから消化・充当できるだけでなく、本記事のようなAIエージェントの検証を安全に行えるサンドボックス環境「PVS One for AIエージェント」や、「API-Bridge for AIエージェント」の無償利用特典をご用意しています。IBM iのAI活用や開発環境の効率化・検証環境についてご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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