IBM Bobとは、IBMが提供するAIコーディングエージェントです。既存コードの解析・説明から、改修、テスト、ドキュメント作成までを支援します。IBM i(AS/400)ユーザーにとっては、RPGやCOBOLの資産を「読める・説明できる状態」に戻す道具になります。ただし、IBM i サーバー上のソースを直接扱うには、追加パッケージ「Premium Package for i」が必要です。この記事では、IBM i の現場で押さえておくべきポイントに絞って解説します。
IBM Bobは、ソフトウェア開発の工程全体を支援するAIエージェントです。IBMは公式に「要件定義から実装、テスト、デプロイ、保守まで、開発ライフサイクル全体を支援するAI駆動開発パートナー」と位置づけています。
コードの補完だけを行うツールではありません。指示を受けると、AIが自ら計画を立て、ファイルを読み、修正案を作り、テストまで進めます。人はその計画と結果を確認し、承認します。
IBM i ユーザーにとって大事なのは、主な用途が「既存コードの理解と現代化(モダナイゼーション)」である点です。新しいアプリを一から作るより、長年使ってきた基幹システムを読み解き、改修し、引き継げる状態にすることに強みがあります。
IBMは2026年4月28日(米国時間)に正式発表しました。IBM社内では8万人以上が利用し、平均45%の生産性向上が報告されています(出典:Javaアプリ更新を1カ月→3日に爆速化 “ソースコード生成AI止まり”じゃない「IBM Bob」の仕組み:IBM社内で8万人超が利用 平均45%の生産性向上を確認 - @IT)。
IBM Bobでできることは、大きく次の5つです。
既存コードの解析と説明:プログラムが何をしているかを、自然な文章で説明します。
ドキュメントの生成:仕様書、処理の流れ、図などを既存コードから起こします。
改修・リファクタリングの支援:修正方針を立て、変更案を作り、差分を提示します。
テストの支援:テストケースやテストコードの作成を手伝います。
脆弱性の検出:IDE上やプルリクエストのレビューで、セキュリティ上の問題を早めに見つけます。
作業の進め方は3つのモードから選びます。
| モード | 役割 |
|
Ask |
質問に答える。コードの意味を聞くときに使う |
|
Plan |
作業の計画を立てる。いきなり変更せず方針を確認できる |
|
Agent |
計画に沿って実際に作業を進める |
このほか、利用状況とコストを可視化する「Bobalytics」や、外部ツールとつなぐMCP(AIと外部ツールを接続する共通規格)にも対応しています。
一方で、すべてを自動でやってくれるわけではありません。 ファイルの変更やコマンドの実行は、初期設定では人の承認が必要です。出力された説明や仕様書も、業務を知る人が確認する前提で使うべきです。AIは「ゼロから考える時間」を大きく減らしますが、最終判断は人に残ります。
IBM i ユーザーが気になるのは、RPGとCOBOLへの対応でしょう。IBM Bobは、どちらにも対応しています。
IBM i 向けの「Premium Package for i」では、次の言語・技術が対象として明記されています。
RPG(固定形式・自由形式、ILE RPG)
COBOL• CL(IBM i のコマンド言語)
DDS(画面・ファイル定義)
SQL/Db2 for i
RPGについては、固定形式から自由形式への変換や、古いRPGからILE RPGへの移行を支援するワークフローが用意されています。メインフレーム向けの「Premium Package for Z」ではCOBOL、PL/I、JCLなども対象です。Javaについては、バージョンアップや画面の刷新を支援するPremium Packageがあります。
(出典:IBM i モダナイゼーション(IBM公式)、IBM® Bob、Premium Packagesと新たなエンタープライズAI基盤によりエージェント型ソフトウェア開発を推進)
結論から言うと、IBM i のサーバーに接続して使うには「Premium Package for i」や「API-Bridge(MONO-X提供)」の追加契約が必要です。通常のプラン(Pro、Pro+、Ultraなど)だけでも、RPGやCOBOLのソースを読ませることはできます。ただしその場合、作業は手元のPCの中に限られます。ソースをPCやGitリポジトリに取り出して読ませ、修正したものをIBM i に戻してコンパイルする、という運用になります。
Premium Package for i を追加すると、IBM Bobから直接IBM i に接続できます。ソースの読み書き、コンパイル、SQLの実行、テストまでを、IBM Bobの画面から行えるようになります。
|
通常プランのみ |
+Premium Package for i |
|
|---|---|---|
|
RPG・COBOLの解析 |
できる(手元のソース) |
できる |
|
QSYS・IFS上のソースへの直接アクセス |
できない |
できる |
|
IBM i 上でのコンパイル |
手作業で転送が必要 |
IBM Bobから実行 |
|
SQL・CLの実行 |
できない |
できる |
接続の前提条件は、次のとおりです(2026年10月19日時点の公式ドキュメント)。
QSYSは、IBM i 固有のライブラリ形式の保管場所です。IFSは、IBM i 上の一般的なファイル置き場(統合ファイルシステム)です。RPGのソースは多くの場合、QSYSのソース物理ファイルに入っています。
費用の詳細は次回以降で解説を予定しています。
(出典:Premium Package for i 前提条件(IBM Bob Docs))
公開情報で確認できる主な機能は、次のとおりです。
海外の専門メディアでは、約40のスキル・ワークフロー、約30の専用ツール、5250セッションの起動にも対応すると報じられています(出典:IT Jungle 2026年7月13日)。
IBM Bobの使い方は2つあります。
提供形態は、次の2つから選べます。
インストールの手順は各社様でご紹介されておりますがご参考までに下記記事をご紹介させていただきます。
インストール手順については各社様からも情報が公開されておりますので、ご参考までに以下の記事をご紹介いたします。
IBM Bobはじめました (無料トライアル登録とインストールの流れ) - Qiita
IBM i の現場には、共通の悩みがあります。「作った人がもういない」「仕様書が古い、または無い」「どこを直すと何に影響するか分からない」。IBM Bobが最も力を発揮するのは、こうした「ブラックボックス化した資産」を読み解く場面です。
【第3部】IBM Bob Premium Package for i 導入ガイド|動作確認 Edit機能編
【第4部】IBM Bob Premium Package for i 導入ガイド|動作確認 Build編
IBM Bobは、開発者の作業を速くする道具です。しかし、IBM i ユーザーにとっての価値はそれだけではありません。既存資産を解析すると、次のような「業務の地図」を起こせます。
この地図があると、業務の改善ポイントが見えてきます。たとえば、手入力が残っている工程、紙の帳票に頼っている工程、夜間バッチの時刻に業務が縛られている工程です。「システムを直す」前に「業務のどこを良くするか」を決められるようになります。
「自社のIBM i 資産でも同じことができるか」を、まず確かめてみませんか。MONO-Xが貴社のIBM i 資産を解析し、メニューフロー・業務フロー・ER図・PGM仕様書を起こして、改善ポイントを整理します。
導入を検討する際に確認しておきたい点をまとめてみました。
IBM Bobとは何ですか?
IBMが提供するAIコーディングエージェントです。既存コードの理解・改修・テストを中心に、開発ライフサイクル全体を支援します。
IBMのBobとは何ですか?
「IBM Bob」のことで、IBMのAIコーディングエージェントです。開発段階では「Project Bob」と呼ばれていました。
IBM Bobは何ができますか?
既存コードの解析と説明、ドキュメント生成、改修やテストの支援ができます。ただし変更は人が確認・承認する前提で、完全な自動化ではありません。
IBM BobはIBM i(AS/400)で使えますか?
はい。Premium Package for i を追加すると、IBM i サーバーに接続して使えます。通常プランだけでは、手元のPCにあるソースの解析に限られます。
IBM BobはRPGやCOBOLに対応していますか?
対応しています。IBM i 向けにはRPG、COBOL、CL、DDS、SQLが対象で、RPGの自由形式化などのワークフローも用意されています。
IBM Bobは日本語で使えますか?
はい、日本語に対応しております。
IBM i でAIを使うなら、まず次の3点を確認しましょう。
AIの効果は、対象となる資産の量と状態で大きく変わります。何本のプログラムがあり、どれが今も使われ、どの業務とつながっているのか。そこが見えていれば、どこからAIを使うべきかも見えてきます。
※本記事は、弊社ブログや出展・参考記事の内容をもとに、編集部が作成しました。
「PVS One」では、IBM BobのライセンスをPVS Oneのサブスクリプションから消化・充当できるだけでなく、本記事のようなAIエージェントの検証を安全に行えるサンドボックス環境「PVS One for AIエージェント」や、「API-Bridge for AIエージェント」の無償利用特典をご用意しています。IBM iのAI活用や開発環境の効率化・検証環境についてご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
>>PVS Oneに関するお問い合わせはこちら
株式会社MONO-X公式サイト
株式会社MONO-Xへのご相談・お問い合わせはこちら
最新記事の通知や配信をご希望の方は、ぜひ下記フォームよりメールマガジンにご登録ください。
[メルマガ登録フォームはこちら]